桜の森の満開の下
桜はとっくに散ってしまって季節はずれですが、坂口安吾の「桜の森の満開の下」を読み返してみました。太宰治つながりで、坂口安吾にはまったことがあります。太宰に夢中になったときほどではありませんが、魅力あるおじさんだなと思って読みました。今、私は彼よりずっとばーさんですが。
日本の桜の季節はきれいです。四季の中でいちばんきれいな季節だと思います。足をとめて、桜の美しさに見とれて動けなくなったりします。
じっと桜の花をながめているとその美しさの中に魔物がひそんでいて、うっかりしたら食い殺されてしまうのではないか?
満開の桜が怖い? そんな気がしてくるのは、坂口安吾の「桜の森の満開の下」を読んでからです。
桜にちなんだ作品でこれほど美しい小説はないと思います
文体が美しいのではなく物語から匂ってくる人間の本質である孤独や哀しみが、きらきらひかって宝石のように美しいと思えるのです。
この小説は亭主を殺してその妻を自分の女にした山賊とさらわれた女のお話です。美しい女のいいなりになり、おそろしい結末へと向かって行く山賊。青空文庫で読むことができるので、興味のあるかたは、ぜひ読んでみてください。
坂口安吾 桜の森の満開の下 (青空文庫)
https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42618_21410.html
「エール」での先生役もステキですが、森山直太朗さんといえば「さくら」です。うっとり聞き惚れてしまいます。