yuibachanのブログ

100歳まで心は乙女を目指すばあさんの日記

誰のためのブログ? 永訣の朝 宮澤賢治





ブログを引っ越したと言いながら、まだムラゴンさんにいる私。
引っ越しではなく、2件家が出来た感じです。
本当は5件くらい家があります。残りの放置状態にしてあるブログ3件は、アメーバー、ココログ、ライブドア。
放置しているブログも役に立ちます。過去に自分が何を思っていたかを振り返ることができるからです。最も役に立つのはパソコンが壊れた時。HDD内の画像が消滅しても、ブログにアップされた画像は残るからです。


プログをアップした直後は多くの人に見ていただけますが、その後の読者はだいたい自分一人。ブログの内容にもよりますが、私のブログの場合はそうです。


長い目で見れば、ブログって自分のために書けば良いのかも知れません。ネットに記録する日記、アルバム、メモ帳がブログなのかも。


自分の成長の記録。成長しているかどうかは分かりませんが、亀のスピードでも成長していると思いたいです。


自分のために自分の書きたいことをアップして行こうと思います。それって、これまで通りですが。自分勝手なブログが誰かの気に入っていただけたら、嬉しいです。






2022年1月7日の雪の日






天気予報で雪だと告げられていても、雪が降らないとホッとします。しかし、また残念な気もします。雪が降ると景色が真っ白く美しくなるので本当は好きなのです。
雪→みぞれ→永訣の朝とつながる私の頭の中。雪と言えば、アダモの「雪が降る」ではなく、宮澤賢治の「永訣の朝」。
雪の朝に亡くなってしまった妹・トシへの愛が美しいから、雪、みぞれ、トシと頭の中にインプットされているのだと思います。





永訣の朝


けふのうちに
とほくへいつてしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふつておもてはへんにあかるいのだ
   (*あめゆじゆとてちてけんじや)


うすあかくいつそう陰惨な雲から
みぞれはびちよびちよふつてくる
   (あめゆじゆとてちてけんじや)


青い蓴菜のもやうのついた
これらふたつのかけた陶椀に
おまへがたべるあめゆきをとらうとして
わたくしはまがつたてつぱうだまのやうに
このくらいみぞれのなかに飛びだした
   (あめゆじゆとてちてけんじや)


蒼鉛いろの暗い雲から
みぞれはびちよびちよ沈んでくる
ああとし子
死ぬといふいまごろになつて
わたくしをいつしやうあかるくするために
こんなさつぱりした雪のひとわんを
おまへはわたくしにたのんだのだ
ありがたうわたくしのけなげないもうとよ
わたくしもまつすぐにすすんでいくから
   (あめゆじゆとてちてけんじや)


はげしいはげしい熱やあへぎのあひだから
おまへはわたくしにたのんだのだ


 銀河や太陽 気圏などとよばれたせかいの
そらからおちた雪のさいごのひとわんを……


……ふたきれのみかげせきざいに
みぞれはさびしくたまつてゐる


わたくしはそのうへにあぶなくたち
雪と水とのまつしろな二相系をたもち
すきとほるつめたい雫にみちた
このつややかな松のえだから
わたくしのやさしいいもうとの
さいごのたべものをもらつていかう


わたしたちがいつしよにそだつてきたあひだ
みなれたちやわんのこの藍のもやうにも
もうけふおまへはわかれてしまふ
(*Ora Orade Shitori egumo)


ほんたうにけふおまへはわかれてしまふ
あああのとざされた病室の
くらいびやうぶやかやのなかに
やさしくあをじろく燃えてゐる
わたくしのけなげないもうとよ


この雪はどこをえらばうにも
あんまりどこもまつしろなのだ
あんなおそろしいみだれたそらから
このうつくしい雪がきたのだ


   (*うまれでくるたて
    こんどはこたにわりやのごとばかりで
    くるしまなあよにうまれてくる)


おまへがたべるこのふたわんのゆきに
わたくしはいまこころからいのる
どうかこれが天上のアイスクリームになつて
おまへとみんなとに聖い資糧をもたらすやうに
わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ





実際に宮沢賢治が妹トシの死に直面したとき、賢治は押し入れに顔を入れ泣きじゃくっていただけだそうです。こ作品は賢治が妹の死をあとから振り返って書いたものだと、最近になって知りました。


あめゆじゆとてちてけんじや(雨雪[みぞれ混じりの雪]を取ってきてちょうだい)。


ふたつの欠けた陶椀を賢治に差し出すトシ。小さい頃から二人がご飯を食べてきた陶椀
。賢治はみぞれ雪の中に佇み、トシの真意を考えます。
「このまま死んでしまったら、兄は生涯にわたって自責の念に苦しむだろう。そうさせないために、トシは病苦に喘ぎながらも、陶椀を差し出してくれたのだ。」と。
トシの賢治への愛に心打たれ、泣けてきます。





トシ3歳と賢治5歳 1902年小正月


愛する人を取り上げてしまう神様はつくづくむごいです。








足跡





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自分の書きたいことだけを何の装飾もなく、いきなりアップしていますが、いつも読んで下さる方々に感謝いたします。ありがとうございます。_(._.)_

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